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日本ミステリーの三大奇書(その3) 「虚無への供物」

三大奇書として、以前に「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」について書きましたが、最後に中井英夫の推理小説「虚無への供物」。


上下巻を揃えると薔薇が構成され、小説同様怪しげな雰囲気が漂います。



数々の過去の不吉な死だけでなく、洞爺丸転覆事故に遭遇し、いまだ北海道アイヌの不吉な伝説に怯える氷沼(ひぬま)家に起こる殺人事件を描いています。
シャーロック・ホームズを自称するシャンソン歌手の女性と、ワトスン役となる男友達(商社マン)を中心に、ユーモアあふれる推理合戦を繰り広げるストーリーです。

文章自体も読みやすく、どちらかと言えば、陰湿にならずサッパリとした雰囲気の作品です。

興味深いのは、この小説の中で「黒死館殺人事件」や「ドグラ・マグラ」にさり気なく賛辞を贈っていることです。
シャンソン女性歌手が、トンチンカンな推理を展開するワトスン役男友達に「黒死館殺人事件くらい読んでからおっしゃい。メイド・イン・ジャパンも安物ばかりじゃなくってよ」と忠告を与える場面があります。
また精神病院を訪れた際に「ドグラ・マグラ」の主人公の心境を思い出し恐怖する場面もあります。

このほかにも、具体的な作品名は登場しませんが、G・K・チェスタトンの短編集「ブラウン神父の童心」の中にある作品「折れた剣」についても言及している場面もあり、ミステリーファンをニヤリとさせます。

この作品は、よく"アンチミステリー(反推理)"という表現で紹介されています。
確かに、殺人事件としての動機付けが弱く、読み終わったものの果たして話が完結しているのかどうかモヤモヤした感想を持ってしまいます。
それでもなお、もう一回読んでみようかという気持ちにさせるのですから、それなりの求心力と個性を持ち、なにより登場人物の魅力が際立っているのでしょう。


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